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太陽光利権の闇

飯塚市の白旗山の光景を見て、驚かない人はいないでしょう。「なぜこんなことになった?」、「なぜ行政は政治家は止めてくれなかった?」

この怒りはどこに向けたらいいのでしょうか。

飯塚市白旗山
飯塚市白旗山

物価が上昇して生活が苦しくなる中、電気代が高くなっていることにお気づきの方も多いでしょう。電気代の明細を見ると、「再エネ賦課金」という項目がありますが、請求金額の12%を占めているのです。

電力会社は、太陽光や風力発電事業者が作った電気を買い取ることになっていますが、私たち電気使用者が「CO2削減」に協力する目的で負担することが法律で決められています。

特に、メガソーラー業者のパネル設置により全国各地で環境破壊が進みました。彼らは地域に愛着がなく金儲けしか考えていません。再エネ賦課金を払っているのに、なぜ私たちの住環境が脅かされないといけないのでしょうか。

​私はこの取材を長くやっていますが、メガソーラー事業者と政治家が太陽光利権に群がり、国が協力した結果、今の状況に至ったという結論に達しました。その経緯を以下に記します。

九州電力

40円の買取価格を目当てに、世界中から投資ファンドが参入

 昨今メガソーラーによる環境破壊や贈収賄などが次々と報じられ、太陽光発電事業に対するイメージは悪くなっています。太陽光が急速に普及したのは、固定価格買取制度(FIT)が始まった平成24年7月からです。当時は民主党政権だったので悪く言う論調がいますが、太陽光が狂い出したのは平成24年12月、自民党政権に変わってからだと見ています。


 FIT1年目の買取価格は1kWあたり40円、これは世界中の業界関係者が注目するほどのプレミア価格でした。この価格にしたのは、自民党が3党協議で認めさせたと、西村康利氏が著書の中で述べています。

 

 このプレミア価格が知れ渡り、国内外の企業や投資ファンドが大挙して参入してきました。ところが、法令で「認定要件は発電場所が決定していること」とされていたため、メガソーラー用の広大な土地になればなるほど地権者が多くて土地を決定させるのが困難で、1年目の40円の買取価格に間に合わせることが不可能でした。そこで、事業者が政治家を介して土地に関する認定要件を緩和するよう圧力を掛けたのです。

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国がメガソーラーを優遇

 平成24年12月、資源エネルギー庁は 「土地が決定していなくても、決定する予定であればいい」と認定要件を緩めてしまいました。それが間違いの元です。その直後から、メガソーラー事業者や、目ざとい悪質な事業者が全国至るところの土地を空押さえに走りました。膨大な数の案件に認定が下りることになり、電力会社も対応に追われ混乱しました。


 事態を重く見た経済産業省は対策に乗り出し、認定が下りてもすぐ工事に取り掛からない案件について、平成25年9月から法に基づく「報告徴収」と呼ばれる調査を開始し、土地の決定を証明できない事業者には「聴聞」という聞き取り手続きを経て認定の取消処分を行いました。その結果、平成26年8月までに全国で128万kW分の認定が取り消されました。


 ところが最近になって、経済産業省が当時行った「報告徴収」で、大企業や外資系ファンドのメガソーラー案件が、土地が決定しなかったにもかかわらず「聴聞」を行っていなかったことが判りました。「報告徴収」は「40円の買取価格を維持するのに相応しいか」を確認するのが目的でしたが、運転開始までに大幅な時間的猶予を与えたのです。これは明らかな大規模メガソーラーの優遇と言えます。

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優遇されてボロ儲け、費用は国民が負担

 こうして国に優遇された大規模メガソーラーの多くが令和に入ってから運転を開始、未だに運転開始していない案件もあります。それらは買取価格40円を維持したまま、多額の売電収入を得ています。ちなみ令和4年度の買取価格は10円にまで下落しました。本来認定取消だったはずの案件が収益を上げ、その費用は国民(電気利用者)が再エネ賦課金として支払っているのです。

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自民党は国民を向いていない

 私は、国がメガソーラーを優遇したことで建設ラッシュとなり、地域住民の生活を脅かしたり、環境破壊が進み地球のためにならないことをしていると考えています。外資と大企業だけが優遇された経緯を明らかにし、この責任の所在明確にさせたいのですが相手は中央省庁、ジャーナリストには限界があり、国会議員に頼るしかない。

 しかし、自民党は党内に事業者と癒着している議員がいるので取り上げるのが難しいのです。自民党の国会議員は頼りにならないのです。これこそ日本における利権構造の縮図、既成政党は国民の方を向いていないということがよく分かります。

 私は優遇されたメガソーラーの買取価格を40円ではなく、実際に運転開始時の買取価格に引き下げるべきだと考えています。そうすれば、再エネ賦課金は半分以下に下がります。壁は高いですが、国民の生活を守り公平公正な社会の実現のため努めていきます。

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